食指が動く、実は誤用だらけ

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慣用句には

1.ぱっと見て意味が想像できるもの
2.さっぱり分からないもの
3.想像できるけど、実は違うもの


がありますが、

「食指が動く」というのは
2.のような3.のような言葉ですね。
それだけに、誤用がはびこっている言葉です。


そもそも「食指」がなんなのか
よく分かりませんからね。
これで「例文を作れ」という問題があったら
ちょっと悩むかもしれません。

そこで調べてみたら
中国の故事が出てきたりして
なかなか面白かったです。



意味は想像できるのですが


まず、食指が動くとは
あるものに興味がわく、という意味です。


食べ物に対して
食欲がそそられる場合にも使われますし、
食べ物じゃなくても興味がわいた場合は
この表現を使うことができます。


興味がわいたものなんでもいいわけですから
例文としては、

「あの料理はおいしそうで食指が動く」
「見事な壺を見て、食指が動く」
「新しい事業に、社長の食指がうごく」


など、いろいろな使い方ができますね。


で、誤用が多いといっても
「役不足」「煮詰まる」のように
本来と違う意味で使われているわけではなく

「食指がそそられる」「食指が伸びる」といった
微妙に違う言葉になっているケースが多いです。


まあ、直感的には「食指が動く」よりは
そそられる、伸びるといったほうが
それらしい気がします。

なのになぜそれが間違いか?
これには、この言葉の由来を知る必要があります。


中国の故事が由来


故事というと
なにやら教訓あふれる話があるのかと
思いそうですが……。


鄭の子公が、霊公を訪ねているとき、
人差し指が動いた。

そして、
「これはごちそうにありつける前兆だ」
といった。

そして子公はすっぽん料理にありついた。



まあこんな感じ。


食指とは人差し指のこと。

ここから「食指が動く」が
食欲がそそられるという意味になり、
さらにはある事柄に興味がわくことに
使われるようになった、ということです。


「春秋左氏伝」という歴史書の一部で、
まあ、歴史書なんで、いろいろと書かれている中の
ほんの一部分でしょうけれども、

それにしてもよりによって
こんな(どうでもいいような)ところから
現在の日本でも使われるような言葉が出来上がった
のが
なんとも不思議なところです。


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間違った使い方


世論調査では
「食指が動く」を正しく使っているのは
約38パーセントで、

「食指をそそられる」という人が
約31パーセントにのぼるということだそうです。

けっこう間違われていしまってますね。


まあ確かに、食指の意味が
人差し指とすぐに分かる人はいないでしょうからね。
私も知りませんでした。

そうなると食欲という単語と混ざって
「食指がそそられる」となるのも
無理のないことでしょう。


さらに私の好きな誤用? は
「食指が伸びる」というもの。

なんとなく、おいしそうな食べ物を前にして
しんぼうできず指がニュニュっと
伸びている光景が浮かびます。


結婚式のあいさつの途中で
つい料理に手が伸びるところを
となりの奥さんにぱしっとたたかれたりとか。


あと「食指」というと
私は舌も連想しました。

口をあけて舌がごちそうに伸びていき
その先が手になっている、
というマンガ的表現も面白いかもしれません。


でも間違いですから、気を付けてください
食指が舌なんて意味はありません。
さっきも言ったように人差し指です。


「食指が伸びる」は、
人差し指が伸びていくことですから
「食指がそそられる」よりは意味が通っていますが

本来の使い方は先ほどから述べているように
食指が動く、です。

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