いまさらゼンダマンを全話見ました

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タイムボカンシリーズといえば、知る人ぞ知る名作アニメシリーズ。一度見たら忘れられない、夢にまで出て笑わせてくれそうな、あの三人組の悪役が印象的なアニメです。

なかでも「ヤッターマン」はリメイクされたり、実写版であの深田恭子さんが真っ黒のユニフォームの「ドロンジョ様」を演じたことで、ご存じの方も多いかと思います。あれはかなりのインパクトでした。


そんなこともあり、タイムボカンシリーズといえばヤッターマンという人も多いでしょう。


しかし私はあえて、その続編であるゼンダマンを見ました。それも全52話ぜんぶ。

一話20分ちょっとなので、人生のうち20時間ぐらい捧げたことになります。なかなか有意義な時間でした。


もちろんヤッターマンも面白いですが、個人的にはゼンダマンもかなり好きです。



ゼンダマンとは


どんな話か、ごく簡単に言いますと

「命のもと」をめぐって正義の味方ゼンダマンと悪者アクダマンが戦うギャグアニメ、です。


ちなみに前作にあたるヤッターマンは

「ドクロストーン」をめぐって正義の味方ヤッターマンと、悪者ドロンボーが戦うギャグアニメ、

つまりほとんど一緒。


まあこのシリーズのおもしろさの8割ぐらいは、悪者を演じる「あの三人組」に集約されていますので、あとの設定は極端にいえばおまけぐらいと言えます。

悪者達は毎回くだらないメカを作り、世界各地で正義の味方とくだらない戦いをし、くだらない理由で負けて、毎回「ちゅどーん」といったギャグ調の爆発をします。


ヤッターマンもゼンダマンも話はほとんど一緒なんだから、どうせなら有名なヤッターマンを見ればよいものを、わざわざゼンダマンを見たのは次の理由からです。


ゼンダマンを愛すべき理由



念のため誤解なきよう付け加えますと、私はヤッターマンも大好きです。あのシンプルなドタバタギャグの分かりやすさは素晴らしいです。

しかしゼンダマンはそれとはまた別の魅力があると感じます。


愛すべき人間らしさ


ゼンダマンはだいたい悪役の三人組の場面から物語がスタートします。


それもシリアスに悪行をするわけでもなく、女ボスのムージョがダイエットのため一生懸命エアロバイクに乗っていたり、そこに部下であるマヌケ面のトボッケーが余計なことを言ってケンカしたりと、妙にのんびりしています。


一方の正義の味方のゼンダマンである鉄ちゃんとさくらちゃんは、もちろん善人であるものの、妙にいじわるなところがあって(とくにさくらちゃん)、悪者達にいやがらせをしたりからかったりと、見た目のさわやかさと裏腹に、ややクセモノ感があります。

このあたりがトムとジェリーのように、どっちがどっちをいじめてるのか分からない状態になって、一瞬悪者たちのほうが性格がいいんじゃないの? などと錯覚しそうになります。


人間ギャップがあると奥深さを感じるものですが、ゼンダマンの人物たちは主役も悪役も、そういった一言に善人悪人と分けられないところがあって楽しいです。


愛すべきマヌケなゼンダライオン


ゼンダマンにおける主役メカはライオン型で汽車のようなゼンダライオン、前作のヤッターワンにあたるものです。

ヤッターワンもやる気があるのか無いのか分からないところがありますが、このゼンダライオンは完全に戦う気がありません。


「暴力はいけない」
「話し合いで解決するべきだ」

などと、実にもっともですが、アクションアニメでそれを言っちゃミもフタもないセリフを連発します。

そしてぐずぐずしている間に、毎回ミサイルなんかをぶつけられて真っ黒になります。


また、敵の見えすいたワナにも必ず引っかかっり、ガケから落ちたり岩に激突したり川に沈んだりと、言っちゃなんですがばかなのでは? というくらい単純です。しかし不思議なことに、最後は必ず勝っています。


なんだか頼りないですが、人助けなどでは「まかせてちょ〜だい」と張り切る、すばらしい人格者です。

変に暑苦しく正義を振りかざすより、これぐらいひょうひょうとしているのはなんだか現代的? と言えなくもないです。


愛すべきネコが出る


ニャラボルタといいます。悪者側についているので、お世辞にもかわいいとは言い難い描写をされていますが、なかなか味のある風貌をしています。

いかにも性悪ネコといった感じですが、ムージョ様にはビタッとくっついていたり、本気で泣いている人がいると悲しそうな顔をして元気づけようとしたり、にくめないところがあります。

アニメなので二本足で立ったり言葉を話すこともありますが、基本的にはゴロゴロニャゴニャゴと猫らしくしています。ネコ好きにはいいですね。


ここはちょっと…


逆に、気になる点はつぎのものです。


ヤッターマンと似ている


おなじシリーズとはいえ、ゼンダマンは前作のヤッターマンと、メカの形や戦い方が大分にています

主役の武器がケン玉をモチーフにしているところや、ゼンダライオンが日替わりメカを出すところなどは、ヤッターマンそのままです。

ヤッターマンはシリーズで一番視聴率を取っているので、その設定を残したのは良いところともいえますが、どうしても二番煎じ感は否めません。


爽快感にはかける


ギャグ要素が強くなったので、テンポよく悪者をやっつけてスカーッ! とはなりません。

とちらかというと終始あーだこーだとおしゃべりに徹していて、敵も味方も真面目に戦っている様子が見受けられません。

私はこういったぐだぐたとした要素は好きなのですが、悪いやつをビシバシやっつけるような展開ではないですね。


ラストがいまいち


個人的に一番残念だったのはここです。


全体的にのんびりした展開で、ほのぼのと見ていたにも関わらず、最後の最後に妙にシリアスな調子になります。

それはいいのですが、悪役たちの末路がちょっと気の毒。

悪役といってもそこまで極悪人でもないので、もうちょっと後味よく終わって欲しかったなあ、と思います。


ヤッターマンとはまた違う魅力


いろいろ書きましたが、ゼンダマンはヤッターマンとはまた違った良さがあります。


形式としてはヒーローものの話なのに、全体的にほのぼのしているなで、疲れたときにごはんでも食べながらだらーっと見るのにちょうどいいです。

主役の登場シーンで「正義の味方ゼンダマン登場!」といった熱いセリフも、途中からやたらと舌を巻いた話し方で、どちらかというとふざけている雰囲気があります。


ヤッターマンのようなスカッとした分かりやすい面白さには欠けるかもしれませんが、ゼンダマンはじわじわと腹の底から楽しくなる面白さを感じます。

正義について語り、それによって衝突している人が多い昨今ですが、これぐらいのんびりした話を見ているとほっとできますね。

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