太陽暦と太陰暦の違いは何?月の形が日付と一致しない理由

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「三日月って3日に出てこないよ」

子供のころって、こういうことが
ふと疑問になったりしたものです。


似たようなものとして
「地球が1回自転すると1日」
「月がまわると、1ヶ月」
「太陽の周りを地球が回ると1年」

などがありますね。

授業で教わったものの、1日と1年はともかく、
1ヶ月いうのが不思議でして。

28日だったり31日だったりするわけですが、
月がいちいちそんなこと気にして
速く回ったり遅くなったりするのかな?


こういう素朴な疑問は、
太陽暦と太陰暦というのがあるのを知って
それが原因だと分かりました。


では、このふたつの暦にどんな違いがあるのか?
これついて述べていきたいと思います。



まずはこれを知っておきましょう


両者の違いをひとことで言うと
「何を基準に時間(暦)を決めているか」
ということ。

太陽暦は太陽
太陰暦は月


を基準にしています。


太陽暦の場合
地球は太陽を365~366日(正確には365.2422日)
かけて1周する、だから1年=365(366)日、

1ヶ月の日数の決め方は
365を12で割って30~31日、ということです。


現在、私たちが使っている暦はこれですが、
単純に1年を12で割って1ヶ月としているだけなので
実際の月の動きとは無関係、

せいぜいある程度近いかな、という程度です。


では実際の月はというと、公転周期は27.32日、
その間、地球も公転運動で動くので、
満月から次の満月になるのは29.53日です。

暦上での1ヶ月(30~31日)と、実際の月の動き(29.53日)には
結構な違いがありますね。

それで三日月は3日からどんどんずれていくわけです。


まあ、こまかい数字は苦手だし、どうでもいいや、という方は
太陽暦は太陽を基準にしているので
月の動き(もしくは形)と違いが出る

とだけ知っておけば十分だと思います。


昔は月の形がそのまま日付


さて、太陽暦と違い、
太陰暦は月から暦を決めます。
旧暦はこれになります。


つまり、実際の月が満月から満月になる周期、
29.53日を、そのまま1ヶ月にします。

「.53」という部分は、
29日と30日の月をおりまぜることによって
なんとかします。


こちらは当然のことながら
暦と実際の月が一致します。
3日に三日月、15日(十五夜)に満月が出ることになります。


この太陰暦は、現在の太陽暦よりも古くから使われていました。
これは分かるような気がしますね。

生まれたときから時計とカレンダーに囲まれている
現代と違い、昔は時間や日にちを計るものが
なんにもなったわけですから。


夜になるとまっくら。

そんな中、月がぽっと浮かんでいる。
そしてそれが、日々形を変えている。


こういう状況だと、
月を見て日を数えるのは自然なことなのでしょう。
「半月だから7日!」みたいな感じで。


なお、太陰とは、月の昔の呼び名のことです。


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デメリットと太陰太陽暦


太陰暦は、月の形を見れば今日が何日か分かるため、
分かりやすいのがメリットですが
ひとつ大きな弱点があります。

それは
「季節が違っていく」
ということ。


夏とか冬とかは
太陽と地球の位置関係で決まっています。

しかし太陰暦の場合、太陽暦と違い月の動きとは合いますが
今度は太陽の動きとずれていきます。


具体的には1年が29.53日×12で354日
実際の太陽が1周する365日には11日足りない。
毎年11日ずつずれる。

したがって太陰暦だと
暦は毎年11日ずつ季節から外れていきます。



これは困りますよね。
入学式がいつのまにか紅葉の時期になったり
クリスマスが夏になったり、夏休みが冬になったり。

サンタクロースが暑いから海でサーフィンしてたりね。
それはオーストラリアで実際にありますね。


まあサンタが夏に来ても実生活には何の問題もないですが、
暦と季節が合わないのは
農業などでは深刻な問題になります。


それでこの、太陰暦の改良版ともいえるのが
太陰太陽暦というもの。


どういう違いがあるのかというと、
数年に一度、うるう年ならぬ、
うるう月を加えて1年を13ヶ月にします。


そうやって月を増やす年を入れることによって、
暦と季節がずれていかないように調整するのです。


日本の旧暦は、この太陰太陽暦を採用していました。


そして現在の暦に


この太陰太陽暦には大きなデメリットがないため
長い間使われていましたが
明治5年になると現在使われている太陽暦に変わります。

世界では太陽暦である新暦が主流になったので、
それに合わせる形での変更です。


暦が突然変わるというのは、いまいち想像できませんが、
当時の人々は大変だったんでしょうね。

明治5年の12月2日の次が、
新暦の1月1日になったということですが、

12月3日が誕生日の子供なんて、泣いたんじゃないですかね。


でも以降、現在まで太陽暦である新暦を使っているので
すっかり定着しております。
今どき旧暦でものを考える人なんていないですよね!

・・・と言いたいところですが
それまではずっと旧暦を使っていたので
伝統的な年間行事などでは、
今の暦とけっこう違いが出てしまっております。



特に月にまつわる行事はややこしくなって
例えば中秋の名月などは
現在の暦だと毎年変わってしまいます。



普段の生活において太陽暦や太陰暦、
その違いについて知る必要はないですが、

年間行事など、ちょっと日常から離れるシーンにおいて
こういったことを知っていると話もうるおいますし、
冒頭のような月の疑問を、子供にいきなり聞かれても、
すんなり答えられるようになりますよね。

具体的な日数や、こまかい数字はともかく、
太陽暦は太陽
太陰暦は月

これだけでも、違いとして知っておくといいでしょう。


それにしても明治の文明開化の時代に生きていた人々は
いろいろ大変だったんですね。

現代も変化のスピードが速くて大変ですが、
この時代の人々にくらべると
まだまだいいほうなのかもしれません。


暦に関連した記事です。
西向く侍(にしむくさむらい)の意味、小さい子供にもこれでバッチリ!

「今月は何日までだっけ?」
ということが多い人には、とても便利です。

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8 Responses to “太陽暦と太陰暦の違いは何?月の形が日付と一致しない理由”

  1. たぬき より:

    旧暦と新暦の切り替えに当たり明治維新政府は事前に移行する明確な日程を公表せずに(移行することだけは公布)

    いきなり来月12月の某日を以て新暦の正月1日とする。
    などとやったモノですから堪りません。
    元来、30日ある筈が数日後には来年?!
    当時の商習慣は、日頃の買い物はツケでお盆前と大晦日にそれぞれ半年分を精算するシステム。
    半年分のツケの溜まった負債者側はこの期日をなんとか遣り過ごせばチャラ。借金ナッシング!?

    債権側は必死に取り立てに奔走する次第。
    この辺りの悲喜こもごもは落語のネタにも成っているところ。
    そんな社会事情から日本中大パニックになった事は当然の結果。
    結局、明治政府も非を認めた形で救済処置を施行したようです。

    • はつかり より:

      たぬきさん、コメントありがとうございます。

      落語のネタにまでなっているのですね。
      新暦への切り替えはかなり混乱したようですが
      やはりお金のやりとりが深刻だったのですね。

      給料日もすっとばされたようで
      当時の人々の大変さはともかく
      確かにこのあたり、落語のネタになってしまいそうです。

  2. たぬき より:

    旧暦の時代。月の満ち欠けと日にちはリンクしていたのはご存知の通り。
    1日は月が全く出ない新月(暦の月が改まる意味でも)。
    朔(月がない)の日なのでツイタチ=1日
    当然、月明かりはなく闇夜。
    潮汐力も強く働き中汐~大潮。

    日ごとに月が現れて、3日には文字通りの三日月。
    七日目辺りは上弦の月。半月。
    神格は、月弓尊。(三日月~。上弦。弓に弦をつがえた、張った形)


    月の中日、15日辺りは文字通りの十五夜月。
    満月。又は望月。単に望。

    闇夜を月明かりで煌々と照す。
    月夜見尊。
    更に古くは、天照大神。
    潮汐力も最大~生物の生死に関わる。
    十五日詣で。(潮汐力が地球の外殻に影響を及ぼして断層面が微弱な変位~電磁波を放出。、、、ピエゾ効果現象
    (霊験、神気、霊場、神奈備の森厳な雰囲気の正体))

    二十三夜月。下弦の半月。

    二十七夜月。三日月の反対の形。
    月読尊。
    古来、子宝祈願の神事の日(夜)
    月を祭るは子宝祈願。
    、、、女性の排卵時期。に当たるので睦事をしなさい。という経験則から?

    月神の荒魂は、多分、、、晦日~朔日の新月。

    • はつかり より:

      コメントありがとうございます。

      旧暦のほうが歴史が長かったためか、
      月と暦に関する話は奥深いですね。

      十六夜(いざよい)、立待月、居待月など
      呼び名も面白いものが多いです。

      今さら旧暦というわけにもいかないでしょうけど
      こういったものはできるだけ覚えておきたいです。

  3. 藤本 より:

    太陰暦では29日と30日までで二四六九士小の月と言うはどうだったのでしょうか?。教えて下さいませんか。 藤本

    • はつかり より:

      コメントありがとうございます。

      「二四六九士小の月」というのは
      「西向く侍、小の月(にしむくさむらいしょうのつき)」
      とも書きます。

      語呂合わせの一種で、
      「今月は何日まであるか」を知るのに役立ちます。

      http://xn--28jxalw5162g.com/archives/3810.html

      こちらに詳しく説明していますが
      新暦(太陽暦)で使えるので現在でも使えます。

  4. 末摘花子 より:

    古典文学読むには陰暦を太陽暦にいちいち変換しなくてはならないです。しかも月齢も知らなくては
    なりません。その辺で頭の中がもやもやとします。
    しかも時間の想定も月齢から読み解く必要が
    あります。汗、、汗、、。

    • はつかり より:

      コメントありがとうございます。

      太陽暦と太陰暦の違いは頭で理解していても
      季節などは感覚的に「4月は春」というように今の太陽暦で考えてしまいますね。

      「今と昔ではこんなに違う」という話だけだと、
      おもしろくもありますが、実際に昔の暦に接する、
      とくに古典文学を読みながら変換するのは、ちょっと大変そうですね。

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